平成25年9月25日発行

今回は相続に関する手続きとして、「相続税」について説明します。

6)相続税

  1. 遺産の総額が基礎控除額を下回っていれば、相続税の納付義務も申告義務もありません。
  2. 基礎控除額は定額5千万円プラス相続人(法定相続人)の数に1千万円を乗じた金額です。被相続人に実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人まで養子を法定相続人とすることができます。
  3. 宅地の相続税評価は、路線価あるいは固定資産の倍率評価によります。家屋は倍率方式によりますが、倍率が1ゆえ、固定資産税評価額と同じになります。
    • 路線価・・・毎年1月1日時点の更地価格を出すための基準(7月に公表)
    • 固定資産税評価額・・・3年おきの7月1日時点の更地価格
    • 公示価格・・・毎年1月1日時点の更地価格(3月下旬公表)
    • 基準値価格・・・毎年7月1日時点の更地価格(9月下旬公表)
  4. 小規模宅地の特例(申告書の提出が必要)
    • 特定居住用宅地は240㎡まで80%減額される。
    • 特定事業用宅地は400㎡まで80%減額される。
  5. みなし相続財産
    • みなし相続財産とは、死亡時には被相続人は財産として持っていなかったが、死亡を原因として、相続人がもらえる財産のことです。主なものとして、生命保険金、死亡退職金があります。
    • 生命保険金及び死亡退職金には非課税限度額があり、5百万円*相続人の数を控除することができます。
  6. 相続税の税額軽減制度
    • 配偶者の税額軽減制度・・・相続額が法定相続の割合以内か相続額が1億6千万円以下の場合、相続税はゼロとなります。
    • 未成年者控除・・・未成年者の相続人が20歳になるまでの年数1年につき6万円を相続税額から控除できます。
    • 相似相続控除・・・10年以内に2回以上相続があった場合、最初の相続税の一部を、2回目の相続の相続税より控除できます
    • 配偶者・両親・子以外の者(例えば兄弟姉妹)が相続したり遺贈を受ける場合は、相続税額が2割増しになります。
  7. 相続税の計算の仕方
    1. 正味の遺産額(課税価格)
    2. (遺産+みなし相続財産+相続開始前3年以内の贈与財産+相続時精算課税を利用している場合の贈与財産)―(非課税財産+債務)

      • みなし相続財産とは生命保険、死亡退職金など
      • 非課税資産とは祭祀財産、寄付金など
      • 債務とは借入金、未払税金、葬式費用など
    3. 課税遺産総額
    4. 課税価格から基礎控除額を差し引く。

      • 基礎控除額は5千万円+1千万円*法定相続人の数
      • 相続放棄をしても相続人の数は変わりません。
      • 養子の場合、実子がいる場合は1人、いないときは2人まで認められます。
    5. 相続税の総額
    6. 課税遺産総額*法定相続人の法定相続分=各法定相続人の取得金額各法定相続人の取得金額*税率を合算し、相続税の総額を算出する。

    7. 各人ごとの相続税額
    8. 相続税の総額*各人の課税価格/課税価格の合計額

    9. 各人の納付税額
    10. 各人の税額から各種の税額控除を差し引いた額が各人の納付税額となります。

「参考資料」

最後に、参考資料として、相続財産の名義変更手続時の必要書類を記載しておきます。
(相続財産の名義変更手続時の必要書類)

  1. 遺産分割協議による不動産の相続登記)
    1. 被相続人の戸籍謄本、改製原戸籍謄本、除籍謄本(出生~死亡まで)、戸籍の附票
    2. 相続人全員の戸籍謄本、印鑑証明書
    3. 不動産取得者の住民票(本籍付)
    4. 遺産分割協議書(共同相続人の場合)
    5. 相続関係説明図
    6. 固定資産評価証明書(名寄帳)
    7. 不動産登記事項証明
  2. 不動産以外の名義変更手続き
    1. 預金(金融機関に確認)
      • 金融機関指定の払戻し請求書(相続手続依頼書)
      • 相続人全員の印鑑証明書
      • 被相続人の戸籍謄本(出生~死亡まで)
      • 各相続人の現在の戸籍謄本
      • 被相続人の預金通帳と届出印
      • 遺産分割協議書
    2. 株式(証券会社に確認)
      • 口座振替申請書
      • 相続人全員の同意書
      • 相続人全員の印鑑証明書
      • 被相続人の戸籍謄本(出生~死亡まで)
      • 相続人の戸籍謄本
    3. 生命保険(保険会社に確認)
      • 保険金請求書
      • 保険証券
      • 被相続人の住民票及び戸籍謄本
      • 保険金受取人の印鑑証明書

    *戸籍謄本、印鑑証明書は原本還付されるかどうか確認する様にしてください。

おわりに

相続手続きは遺産を親より継承し、子や孫に引き継いでいく重要な手続きです。人間は、いつかは死を迎えますので、相続を避けて通ることはできません。相続は、民法でその手続きや方法が定められていますが、現実には、相続を巡るトラブルも発生しております。そこで、相続に関する基本的な知識を身につけ、未然にトラブルを防ぎたいものです。

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