平成25年8月25日発行

今回は相続に関する手続きとして、「遺産分割協議」について説明します。

5)遺産分割協議

  1. 遺産分割協議書の作成の目的は、不動産や預貯金の名義変更等や相続税の申告書への添付の為だけでなく、相続人間における分割内容の合意・確認や、法的にも分割が終了したことを明確にするといった意味合いがあり、とても重要な書類です。
  2. 遺産分割協議書の作成に期限はありません。しかし、相続税の申告をする人は、申告期限(相続開始後10ヶ月)までに分割をしないと税制上の恩典が受けられません。(配偶者の相続税額の軽減、小規模宅地等の特例等)
  3. 遺産分割協議書は相続人全員で作成します。決められた書式はありませ んが、誰がどの財産を取得したのか名義書換機関にも分かるようにしなければいけません。その上で、数ページに渡るものは割印を押し、自署し実印を押します。(自署できない場合は記名押印でも有効)
  4. 遺産分割の方法には、現物分割、換価分割、代償分割があります。
  5. 遺産の評価
    • 不動産は路線価、固定資産評価額、取引相場等を調査します。土地は路線価の場合、公示価格の8割、固定資産評価額の場合、公示価格の7割程度です。(公示価格及び路線価は毎年評価替、固定資産評価額は3年に一度の評価替)
    • 株式会社の場合、後継者に多くの株式を集中し、その他の相続人には現金等を渡す代償分割が望ましいでしょう。
    • 上場株式の評価は、証券取引所の一定期間における値段(遺産分割前の1カ月間の平均価格等)を使用したり、非上場株式は1株当り純資産から割り出したりします。
    • ゴルフ会員権は、相続税の評価では取引相場の70%とするが、遺産分割協議では取引相場から名義書換料を差し引いて評価することが多いようです。
  6. 遺産分割協議が不調の場合、家庭裁判所で調停という手続きや、それが不調のときは審判という手続きがあります。審判の判決は確定判決と同じ効力があり、当事者はその判決にしたがわなければなりません。
  7. 相続人に未成年者がいる場合
    • 未成年者の相続人は、遺産分割協議に参加することができず、法定代理人である親がかわりに協議に参加します。
    • 親自身が相続人であり、子供と利益相反する場合は、代理人になれず子供の住所地の家庭裁判所に「特別代理人」を選任してもらわなければなりません。

*用語の説明

現物分割、換価分割、代償分割とは
現物分割⇒個々の財産を誰が取得するのか決める方法であり、最も一般的
 「Aには家屋敷を、Bには現金を」というように個々の財産を割り振る方法です。
換価分割⇒相続財産を売却してお金に換え、相続人にお金で分配する方法
 財産が、不動産だけしかないなど、各相続人にうまく財産を割り振れない場合に使われる方法です。
代償分割⇒特定の相続人が財産を相続する代わりに、その相続人が他の相続人にお金を払う方法
 事業を継ぐなど、財産を細分化されると困る場合、使われる方法です。

次号は相続に関する手続きとして、「相続税」について説明します。